写真はフィルム時代からの趣味で、ハイエンド一眼レフのEOS1(フィルム一眼レフ)、EOS1D(ハイエンドデジタル一眼レフ)、EOS5D(フルサイズ一眼レフ)やハッセルブラッド(中盤フイルム一眼レフ)やらEF300㎜F2.8(2.5㎏)他短焦点レンズ多数と重い三脚(4㎏)(計15㎏以上)を持ち歩いて撮影していました。
しかし、あるプロの方々と撮影に行った際に、その方々の1/2も歩けずに、後に写真を見せあった際に「そんないいところ(撮影場所=被写体)があったんですか?」と愕然としたことがありました。
その際のプロの方はデジタル一眼レフ+高倍率ズーム+ハイエンドコンパクトデジタルカメラで、コンデジでしか撮れない写真もありました。
ルアーフィッシングで言う「ランガン(RunGun:走って撃つ)」です。
ちなみに釣りでも私はこのスタイルです。
フォーマットが大きくなればなるほど、機材が重くなればなるほど、焦点距離が長くなればなるほどブレの影響が大きくなり、三脚の重要性が増します。
一眼レフとは、ミラーが駆動するがゆえにミラーショックがあり、ミラーアップは可能ではあるが、フォーカルプレーンのショックもセンサーサイズに比例するため必然的に三脚は重くなる。
コンデジというのはフォーカルプレーンシャッターのみで、三脚が必要なくある程度の画質をだせ、手持ちや安価な三脚などでは安易に撮影した大きなフォーマットのカメラの画質を簡単に越えることすらできます。
写真をゆっくり撮りに行く暇がなくなったのと、そういった経験により、一眼レフ以上の機材を売り、ハイエンドコンデジであるRICOH GXR+28~1000㎜のネオ一眼のFUJI HS50FXRを愛用していました。
そのどちらのカメラもかなり名機で、現在でも本気で撮影すれば現行機の画質に引けをとらない写真をとる事が出来たので、古くなっても愛用していましたが、HS50が寿命で故障してしまったので、買い替えすることになりました。
私の撮影スタイルはいらない個所を省いていき、なるべくフレーミングを撮影時に完了したい方なのでHS50の1000㎜も結構多用していました。
例えば、紅葉した上の方の木の葉を切り取る際に1000㎜でも足りないこともしばしばあります。
現在は1000㎜以上の機種も出てはいますが、600㎜クラスでセンサーサイズの大きな「1インチネオ一眼」が3メーカーから出されています。
このセンサーサイズは大きくなれば「画質」は良くなるのは当然なのですが、高感度撮影(低照度)に有利になります。
データだけでも1/2.3センサーがISO6400(拡張)が限界なところ、1インチセンサーではISO25600(拡張)まで撮影できるということは、同じISO1600で撮影したとしても遥かにノイズが少なく、画質が良くなる…と言うことができます。
では、いっそフルサイズなら?と思うかもしれませんが、最新のEOSR6mk2ではISO204800(拡張)を出せるのですがボディーだけで40万円、600㎜F4は3㎏で200万円するし…短焦点でしかないし…
シグマで150-600㎜が2㎏、20万円です。
かたや、ネオ一眼(RX10M3)ではすべてひっくるめて1㎏、収納時も17㎝しかない…
三脚を使用するとしても、すこぶる軽いカーボン製三脚(2㎏弱)で十分な画質が出せます。
「機動力」ということに関しては圧倒的といえます。
「機動力」とは「被写体に出会えなければ撮ることすらできない」「被写体に出会った時にカメラを持っていなければ撮ることすらできない」ということです。
個人差はありますが、常時携帯は「ハイエンドコンデジ」が限界ですし、散歩の際の携帯は「ネオ一眼」が限界と言えます。
ちょっと本気で画質を確保したいときは三脚も携帯しなくてはいけませんしね。
すべてのセンサーサイズのカメラにそれぞれよいところがあるので「万人に絶対的」ではありませんし、すべての要素は「個人の許容範囲」なのですが、ランガンスタイルでは「ベスト」と言えるシステムかと思います。
しかし、特筆したいのは、本機ではなく対抗馬であったパナソニックのFZH1というモデルです。
この機種は「動画」に特化した造りで、ネオ一眼の大多数ユーザーは動画に使用していることから、かなりマニアックなレンズの造りをしています。
具体的に述べると、広角(24㎜)~望遠(480㎜)まで胴長が変化しないインナーズームを採用していますし、高性能なDCモーターも採用しています。
動画中にスムーズなズームをするためですね。
このためにベースになったであろうFZ1000という機種よりかなり高速で的確なAFが可能となっています。
もちろん、データ上で同一スペック(0.09秒)である本機(RX10M3)よりはるかに高速で暗所に強いどころか、データ上追いつかないであろう新型機のRX10M4の0.03秒ですら遥かに勝る合致感でした。(外が曇天の室内の暗い箇所をめがけてテスト。個人により、使用状況により変わると思う)
デメリットとして、最大倍率での周辺の画質の劣化があるが、「レンズ故…」と解釈していますし、周辺が全く必要ない被写体であるなら問題ないと思います。
で、このFZH1が適している被写体は「子供の運動会」「スポーツ」「戦闘機(飛行機撮影)」「車、バイクの流し撮り」「飛んでいる鳥」「撮り鉄」等、被写体がはっきりしていて周辺の画質を必要としない(特に空が背景なものにベスト)撮影に非常に向きます。
たぶん「EF600㎜F4に匹敵するのではないか?」という感覚です。
しかも、パナ特有の「フォーカス合成」で手前から奥までの数枚を選択し合成することでシャッタースピードを稼ぎながら被写界深度を得られる特殊な機能や、[フォーカスブラケット」でピント合致個所の手前と奥の2枚づつの計5枚か、ピント合致個所の手前4枚(計5枚)を任意の間隔(調整可能)で撮影し、後に選択することでピンボケをかなりの確率で減らすことができます。
じつはRX10M3にもアプリ導入でフォーカスブラケット3枚は可能ですが、間隔が3段階なだけで、FZH1の方がけっこう速い動きの様々な被写体に対して応用できます。
例えば、運動会で向こうの方から走ってくるシチュエーションだとRX10M3ではあとピンになりやすく、実際多くの方の写真を見たところ、後ろの地面にピンが来ているものが多数でした。
これを、FZH1のFブラケットで、ピント個所から手前4枚(計5枚)を、事前に走っている子供で試し、自分の子が来たら、最適な設定で迎え撃てるかと思います。(RXはピント手前は1枚しか撮れないので間隔調整しても外れる可能性が高いし、そもそもAF合致能力はFZH1の方が高い)
最悪、動画から800万画素くらいの静止画も切り出せますが…(RXも可能)
あと、RXが残念な点であるスリープ時レンズ収納~復帰1秒以上かかる…に対しレンズを収納せず、すぐに復帰できる機能もあり、咄嗟の動物飛び出しを撮影…とかにも重宝しそうです。
しかし、そもそもが普通のカメラユーザーからしたらブリッジカメラ(コンデジから一眼へのステップアップの中間で選ぶカメラ)でニッチな市場でもあるし、レアであるそれを好む層でも私も含め大多数がRX10M3、M4を選ぶので、「隠れた名機」がかなり格安で手に入る時代が来るのかも?…と期待ですね。
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